金次郎のお話し

江戸時代のV字回復請負人 二宮金次郎の生涯②

前回からの続き。

子供時代から異才を放っていた二宮金次郎さん。
やはり歴史に名を残す方は、一味違うということでしょう。

金次郎さんは、日本資本主義の父「渋沢栄一」や、安田生命の産みの親「安田善次郎」、トヨタ自動車創業者「豊田佐吉」など日本が誇る凄腕ビジネスパーソンが、尊敬してやまない驚愕の人物!

そんな江戸時代のV字回復請負人、二宮金次郎さんの活躍をコウブン和尚がインタビュー形式でご紹介していきたいと思います。

それにしても金次郎さん。

今や日本の代表する、大企業の創業者たちの支持があり得ないくらい熱いですね!

そりゃそうやろ。

ワシはおよそ600もの農村を復興させたのやさかい。

600!!
嘘みたいな数字ですね・・・。

まあ、ワシ相当頑張ったからね〜。

弟子もぎょうさんおったし、「報徳仕法」っていう改革メソッドを確立しちゃったから、実行出来たんやで。

なるほど!

「報徳仕法」についてもっと深掘りしたいところですが、それは追々語って頂くとして、ひとまず金次郎さんの青年期について聞きたいと思います。

前回話されていた、お米1表収穫したのはおいくつの時なんですか?

16歳ごろやね。

そんでその後めちゃくちゃ頑張って、18歳になった時には20表まで増やしたんやで。

飛躍が凄い!

短期間でその成果は相当頑張ったんでしょうね・・。

そうやで。

前回も言ったけど、少しずつ土地買戻して、23歳の頃には土地を貸すまでなってん。

二宮家復興完了や!

初めてのV字回復は、自分のご家庭だったということですね。

20代前半で、すでにお家復興を成し遂げた金次郎さん。
金次郎伝説の幕開けです。

大地主となった金次郎さん。

普通の人ならここで安泰というわけですが、もちろん次なるキャリアアップがあったわけですよね?

そうなんよ。

ワシの活躍を聞きつけた服部さんっちゅう人が、息子達3人の勉強相手してくれいうて頼んできたんや。

服部さんは、小田原藩の家老(会社でいう重役)の方だったらしいですね。

奉公人(従業員)もたくさんおられたとか。

ぎょうさんおったで。

でも、服部さんとこの家計があんまりよろしくなくて、給料も少なかったようやな。

そうなんですか。それで?

実はな、息子達の勉強ついでにワシも勉強できるいうて、充実した日々を過ごす予定だったんや。

でも、服部さんとこがそんな状態やろ?ワシちょっとした金持ちやったから、段々と奉公人の皆さんの家計相談を受けることになったんや。

なるほど。頼りにされていたのですね。

でな、金を借りたらきちんと返せるように、生活指導もするようになったんや。

今でいう、ファイナンシャルプランナーちゅうやつやな。

FP!今までの勉強と実践が開花してきましたね!

支出を減らして収入を増やす。

そのためには倹約と勤労なんだが、ワシはそれだけでは足らんと思っとる。

というと?

どうしたらもっと良くなるかな〜という知恵を働かすということや。

つまり、「モノの徳を活かす」ちゅうことなんやで。

勉強のついでにFP相談員もしちゃう金次郎さん。

「V字回復請負人」の頭角を徐々に表してきました。

そんで。

奉公人の皆さんに実力を認められ、ワシは服部さんとこの財政立て直しを指導することになったんや。

お金の問題を解決するには改革が必要っちゅうことで、「五常講」なる金融制度を作ったんやで。

農民でありながら侍を指導する。

凄すぎるので、とりあえず合掌します。

詳しいことはまたいつか語るとして、簡単に言えば相互扶助金融制度なんですわ。

相互ふ・・・何ですって?

金次郎さん、もう少しわかりやすく教えてください!

そうやね〜わかりやすくいうならば、
「助け合いお金の貸借りルール」という感じやろか。

素晴らしい制度ですね!

当時はそんなことしてる人おらんかったから、画期的な制度なんやで!

どうやら海外の協同組合が発足するよりも、30年先駆けのようですね!

最先端の金融システム構築といっても過言じゃないでしょう!

こんなことが出来たのも、小さい頃に「論語」を学んだからやね。

小田原藩の殿様から「あんたは論語に出てくる『徳をもって徳に報いる』(報徳)の実践者やね」という言葉を頂戴したしな!

これ以降、ワシのメソッドは「報徳仕法」と呼ばれるようになったんやで。

『報徳』

徳をもって徳に報いるということ。二宮金次郎さんの根本思想。

人や作物などの個性を活かすには、感謝の念を持って他者の個性を引き出すことに努めることが大切である。

それが良い人間関係の循環を生み出し、世の中が豊かになるということなんですね。

「報徳」

さて、名言も出たことですし、今回はここまでとしましょう。

金次郎さん、また次回もよろしくお願いします!

そうやね。

次回は壮年期の話やね。