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修行で得た人生の教訓

1. はじめに:なぜ修行の話をするのか

皆様こんにちは。蓮城院のコウブンです。本日は、私の過去、特にお坊さんの修行時代についてお話しします。

最近、AIアシスタントのクロさん(Claude3.5)に私のStandFMのアナリティクスを解析してもらったところ、私の過去を語った回が特に人気だということがわかりました。そこで今回は、その要望に応えて、修行時代の体験を詳しくお話ししたいと思います。

2. 20歳での修行:東京別院での体験

着物の着方から学ぶ

私が最初に修行に入ったのは20歳の時でした。場所は東京の西麻布にある「大本山永平寺東京別院長谷寺」です。名前が長くて覚えるのに苦労しましたね。

修行に入って最初に直面した困難は、なんと着物の着方でした。お坊さんの服装は一般の人とは全く違います。まず下着のような襦袢を着て、その上に着物を着ます。さらにその上に「ジキトツ」と呼ばれる僧衣を着て、最後にお袈裟をつけるのです。これらを正しく着こなすのは、初心者の私にとっては至難の業でした。

名前で怒られる

服装以外にも、思わぬところで怒られることがありました。ある日、先輩和尚さんに名前を聞かれて、私は何の疑問も持たずに「荒木です」と答えました。すると、「違う、お前の名前を聞いているんだ」と言われたのです。

そこで初めて気づいたんです。お寺の中では、名前というと下の名前のことを指すんですね。しかも、漢字で「弘文」と書く私の名前は、「ヒロブミ」ではなく音読みで「コウブン」と呼ぶのです。この時、先輩から「お前はシャバの人間か」と怒られました。「シャバ」というのは一般社会のことで、つまり修行の世界を知らない人間だと言われたわけです。

典座寮での奮闘

修行中、最も印象に残っているのは「典座寮」と呼ばれる料理係での経験です。ある日、カレーを作る当番だったのですが、早く仕事を終わらせたいという思いから火力を強くしすぎて、鍋底を焦がしてしまいました。

結果、焦げ臭いカレーを出すことになり、大目玉を食らいました。先輩和尚さんたちから厳しく叱責され、さらには料理係を仕切る老師(先生役のお坊さん)からも厳しいお叱りを受けました。罰として、2週間連続で料理係の当番を命じられたのです。

料理係の当番は本当に大変でした。朝は3時に起き、朝食の準備をしながら、その日の料理の下ごしらえもしなければなりません。肉体的にも精神的にもきつい日々でしたが、今思えばこの経験が私の料理スキルの基礎を作ってくれたと感謝しています。

3. 36歳での修行:大本山永平寺での体験

永平寺を選んだ理由

1回目の修行を終えてから16年間、私はサラリーマンとして一般社会で生活しました。しかし、36歳になる頃、再び修行の道を歩む決意をしました。今度の目的地は、曹洞宗の本山である福井県の「大本山永平寺」でした。

永平寺を選んだ理由は主に二つあります。

  1. 東京別院での経験から、本山でのより本格的な修行に憧れを抱いていた

  2. 曹洞宗を開いた道元禅師の霊廟に手を合わせたいという強い思いがあった

予想外の展開

経験者の私は、一番苦労する「一番手」を避けるため、意図的に2番目に到着するよう計画していました。しかし、思わぬ展開が待っていたのです。

1番目と3番目に入門した2人が、体格の良い大柄な方々でした。彼らの表情には不安が見え隠れしており、私は内心「大丈夫かな」と思いました。案の定、厳しい修行についていけず、彼らは途中で帰ってしまいました。

結果として、私が残った修行僧の中で最年長となり、一番手の役割を担うことになったのです。これは予想外の展開で、より多くの責任と役割が私に課されることになりました。

安下処での準備期間

永平寺での修行は、まず「安下処(あんげしょ)」と呼ばれる場所での準備期間から始まります。ここで、着物の着方やお袈裟の付け方、言葉遣いなど、基本的なことを学びます。2回目の修行だった私は、ある程度の心構えができていましたが、それでも安下処での時間は緊張の連続でした。

山門での厳しい問答

安下処での準備を終えると、いよいよ本格的な修行に入るため、山門をくぐる儀式があります。ここでの体験は、修行の厳しさを象徴するものでした。

  1. 木板を3回叩いて到着を告げる

  2. 怖い形相の先輩和尚さんが現れる

  3. 「何しに来た」と厳しく問われる

  4. どう答えても怒られ、再考を促される

  5. 30〜40分後に再び同じ質問をされる

  6. 励ましの言葉とともに、ようやく入門を許される

この過程は、修行僧の覚悟を試し、それまでの常識や我欲を徹底的に壊すためのものです。現代の観点から見れば超パワハラと言えるかもしれません。しかし、これは修行の世界では重要な通過儀礼なのです。

4. 修行から学んだこと

修行は単なる学びの場ではありません。それは自分の生き方を根本から見直し、仏教との真摯な向き合い方を体得する機会なのです。厳しい環境や指導は、修行僧の覚悟と決意を試すためのものでもあります。

私の経験から言えば、修行で最も大切なのは「覚悟」です。どれだけ体が大きくても、心の準備ができていなければ修行を全うすることは難しいのです。逆に、小柄でも強い意志を持っていれば、厳しい修行を乗り越えられる可能性が高いのです。

修行から学んだ重要なことを5つ挙げると:

  1. 忍耐力の重要性:厳しい状況でも耐え抜く精神力が身につきました。

  2. 細部への注意:着物の着方一つとっても、細かい作法が重要だと学びました。

  3. 共同生活の大切さ:他の修行僧との協調性や思いやりの心が育ちました。

  4. 自己反省の習慣:常に自分の行動を振り返り、改善する姿勢が身につきました。

  5. 感謝の心:日々の生活の中で、すべてのものに感謝する心が芽生えました。

これらの学びは、修行を終えた後の人生にも大きな影響を与えています。日々の生活の中で、修行時代に得た教訓を思い出し、活かしています。

5. おわりに

修行の道のりは決して平坦ではありませんでした。しかし、その厳しさゆえに得られた学びも多くありました。この経験は、私の人生観や価値観を形成する上で、かけがえのないものとなっています。

皆様の中にも、人生の岐路に立たされている方がいらっしゃるかもしれません。そんな時は、自分の内なる声に耳を傾け、勇気を持って一歩を踏み出してみてください。その一歩が、あなたの人生を大きく変える可能性を秘めているかもしれません。

今回の話はここまでとさせていただきます。皆様のご感想やご意見、またはお悩み相談などがありましたら、ぜひコメント欄やレター機能でお寄せください。皆様からのメッセージを心よりお待ちしております。

次回もお楽しみに。蓮城院のコウブンがお送りいたしました。合掌。

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